素材とコスト
最近....というかここ数年、クルマのヘッドランプが様変わりしています。
何が言いたいかというと、街ゆくクルマのヘッドランプの中に、妙に“黄ばんで”いるのが目につくんです。
それも(言っちゃぁ悪いですが)国産の、車齢6〜7年のクルマが多い。 これはその素材が、いわゆるガラスではなく“強化プラスチック”のせいではないかと愚考するんですね。 ヘッドランプカバー(あるいはその周辺のウインカーレンズやドライビングランプまで)が、薄く色が付いたような感じで透明度が落ち、個体によっては中のバルブが見えにくくなっている程です。 そうなっているクルマは、T田やN産といったメーカーのいわゆるファミリーセダンやユーティリティービークルといった、「普段使い」のクルマに多いような気もします。
そのクラスのクルマではコストダウンは必須で、ヘッドランプの部品にもプラスチック製を多用して、コストを抑えているんでしょう。 プラスチック製だと、どうしても紫外線やその他の要因で劣化が起こり、黄ばみや透明度の減少になっているんだと思います。
このコストの問題は、クルマを“買いやすい値段で提供する”ことと“耐久性”という、相反する事柄が絡んでいて単純ではないにしろ、夜間に運転するのに必要充分な明るさを確保する....という安全性もあって、ないがしろにはできない部分だと思います。 ガラスだと衝突時に鋭い破片となって二次被害をもたらす、という事もあるとは思いますが、明るさを確保できない結果が“衝突”では、シャレにもなりません。(事故の要因はもちろん他にもあるでしょうけど)
乱暴な言い方だと「5〜6年しか乗らないクルマにそれほどの耐久性は不要だ」という話にもなりかねませんが、ロハスな今のご時世、そういう発想で有限な資源を食いつぶしていっていいのかな、と考えれば答えは明白でしょう。(ガラスはもちろんリサイクル可能)
このコストについては、30年ほど前にクルマのエンブレム(含グレードを示すバッヂ)が、軒並み立体的なメッキ部品からステッカーに変わった時期もあったりして、メーカー各社知恵を絞って、削れるところから削っていくという企業努力のタマモノだとは思うんですが、安全性の確保という部分にも、手を付けざるを得ない現状なんでしょうね。
いま新車として売られている多くのクルマでも、この部品が強化プラスチックではないモノは少ないと思います。 もちろん、今の部品素材が6〜7年前の部品と同じな訳もないし、耐久性は伸びているとは思いますが、ディスチャージヘッドランプ全盛でその明るさが6年後7年後も確保される、という保証はどこにもない訳で....。(^_^;)
ま、確かに先々のことをいま憂いても仕方ないんですが、気がついたところから改めていかないと、痛いしっぺ返しを食らうでしょうね。(苦笑)
コメント
オラの車が14万キロ越えた。
5年で14万・・・年平均3万弱。
( ̄ω ̄)
もちろんプラスチックのヘッドライト。
ヘタっているのはシート。明らかに助手席とは座り心地が違うのでございます。
エンジンのセンサーが壊れて、ダイナモが壊れて、ステアリングブッシュが取れて、エアコンから異音がします。低速で走っていると「ギコシャコギコシャコ」って微音。それでも走る。車ってのはすごく耐久性があるのでございますねぇ。
投稿者: とめ | 2006年06月06日 12:03
とめさんのN産製ワゴンは、ヘッドランプはまだまだ透明でしたね。
シートのへたり....国産と輸入車とで、大きく差が出るのがこの部分。 前のBMWも16万キロ乗ったけど、シートだけは丈夫でしたねー。(表皮の一部が擦れていたけど)
さて今のゴルフはどんな感じでしょ?
投稿者: dics | 2006年06月06日 15:05
dicsさん、
R&Dです。初めてお邪魔いたします。
耐久劣化のお話は、けっこうアタマの痛い問題です。以前より開発期間は短くなるし、要求寿命は長くなるし。短い期間で長い生涯の寿命確認をするのが大変です。
ヘッドランプカバーの場合、その部品として耐候性試験をしなくても、材料片でやればいいので事前に充分確認できてると思いたいですが、そうですか、そんなに色褪せたクルマ走ってますか...
以前は年とともに事務機の外装が黄ばんでしまいましたが、最近は良い材料に変えたので変色の問題は無くなったと思っています。
が、いかがです?(冷汗)
投稿者: R&D Center | 2006年06月07日 22:19
R&Dさん
ようこそいらしゃいました。m(_ _)m
仰るとおり、数年の開発期間のうちで、その倍以上の期間を想定して耐候試験をするのも大変なことですね。
「色褪せたクルマ」と言っても程度は千差万別なので、遭遇する確率は多くはないと思いますが、注意して見ていると10台に2台くらいはそういうのが走っています。
コピー機などの事務機器も、以前は黄ばんだ筐体が多かったように思いますが、その辺も技術革新は進んでいるんでしょうね。 私の使っていたSONYのブラウン管モニタは、今年で5〜6年ですが、上部はそれなりに色が変わっています。(^_^;)
クルマのヘッドランプカバーも、そういう感じで今後は褪色はないのかな?
投稿者: dics | 2006年06月08日 08:58