報道に対する違和感
一昨日あった「野良犬救出騒動」を見て思ったことがあります。
「この騒動」、結局は野良犬が落っこちて一件落着みたいなんですが、騒ぎすぎなんじゃないですか?(^_^;)
そもそも、人里離れた山の中のこういう状況だったら、犬はそのまま衰弱死してしまうか、落ちて怪我してそのあと死んでしまうか....のどちらかでしょう。 それがたまたま人の生活圏の近くだったために、あれだけの報道陣が集まって大騒動になり、挙げ句に「あの犬を引き取りたい」なんて言う人まで現れた....などという、何と平和なオメデタイお話なんでしょう。(^。^;)
話は180度変わって.....
昨日たまたまBS-hiで見かけた「アイアン・ジャイアント」というアニメ映画。 ストーリーは、地球外からやってきた鋼鉄製の巨大ロボットが、アメリカのとある田舎町で少年と出会い、色々あって言葉が通じ、友達となってこれから楽しい日々が....?と思った矢先、政府の諜報機関が嗅ぎつけてきて軍隊が出動、挙げ句に沖合の原子力潜水艦から核ミサイルが発射されてあわや....というところでロボットが身を挺してその田舎町と人々を救う、というお話し。
この中の台詞で「今やソビエトのスプートニク衛星が、我々の頭の上を飛び回って、我々を監視しているのだ」とか「あんな得体の知れない怪物は、国家の脅威になるだけだから排除しなければならない」というのがありました。
さらに話が変わって1987年、東芝の精密加工機械がCOCOM違反に問われてしまった事件。 この時は「その工作機械によってソ連の原潜のスクリューが加工されて、音が小さく探知しにくくなった。 これはわがアメリカの戦略にとって大きく不利になる。 よってそれを製造・輸出した東芝製品を凶弾すべきだ」ということで、当時のアメリカの議員が、東芝製PCを派手に破壊するデモンストレーションをして見せて、結果巡り巡って当時の東芝経営陣が辞任....という騒動になりました。
その後のソ連崩壊による情報公開により、結局その精密加工機械は、軍事とは全く別の所で使われていたという報道が、後日ありました。
この「アイアン・ジャイアント」の話も「東芝製加工機械」の話も、どちらにも言えるのは、その『問題である』とする根拠が「得体の知れないモノ」「原因と結果の因果関係があやふやなモノ」にあることではないでしょうか。
そういう「あやふやな事」が根拠になって、国家が動き、果ては何千人何万人もの犠牲者が出てしまう....というのは、最近も中東で起こったばかりです。
「野良犬救出劇」もそうですが、根底にある「事実」と、雰囲気だけの「伝え話」では、結果は大きく変わってしまう事を知っておくべきでしょう。 ましてやこれだけの情報が溢れかえる世の中だし、そのあまたある情報の中から真実を選り分ける能力は、現代人にとって(いや、アイアン・ジャイアントのお話しの1960年代からもずっと共通して)必要なんだろうと思います。
感覚を研ぎ澄まさねば.... (^_^;)